脚の静脈の血行障害―静脈瘤

脚の静脈瘤とはどのような病気か

脚の静脈瘤は、大腿から足先までの間の静脈が皮膚表面から瘤のように隆起したり、隆起をしていなくても皮膚表面から青く血管が浮き出て見えたりする状態のことです。静脈には弁があり、逆流しない構造になっているのですが、下腿の筋肉の筋力の低下や加齢に伴う静脈壁が緩くなったために静脈の還りが悪くなり起こります。
 
静脈瘤は脚だけでなく、食道にも静脈瘤はできます。肝臓病の方に多く、破裂すると死に至ります。下肢静脈瘤の場合、破裂することは稀で、破裂しても死に至ることはほとんどありません。
 
下肢静脈瘤の場合、高齢者、女性、肥満、便秘、立ち仕事をしている方に多く、高齢者の場合は静脈壁が加齢とともに弱くなっているため起こり、女性に多いのは下腿の筋力が弱くポンプ作用が弱いため、肥満、便秘、立ち仕事に関しては、血液が心臓に還るにあたり、障害があるためと考えられます。

 

脚の静脈瘤はどのような症状があるのか?

隆起している状態の静脈瘤であっても無症状の場合がほとんどです。
静脈瘤の程度、場所により、足がだるい、重い、浮腫む、こむら返りの症状もあります。
 
膝下から全体に足が腫れるという症状もありますが、臥床時間を長くすると足の腫れは軽減します。また、皮膚表面から青く見えたり、赤く見えたりすることもあり、かゆみや痛みを感じることもあります。赤い色から茶色や黒っぽく色素沈着することや皮膚表面が潰瘍になってしまうこともあります。この症状は静脈が心臓に還るまでのどこかで渋滞している状態が原因で、マッサージをする、入浴する、寝る時に足枕を入れ、足を高くすることで症状が軽減します。

 

診断するためにどのような検査があるのか?

皮膚表面からはっきりと隆起し蛇行しているので、足を診るだけで診断はつきますが、ドプラ―血流計、超音波検査で弁の機能や逆流の状態を検査し診断します。

 

脚の静脈瘤は原因、タイプに分類される!

静脈瘤には2種類あり、静脈壁が弱くなったり、弁の機能の異常で起こったものを一次性静脈瘤、静脈血栓症発症後に動脈と静脈とが瘻孔を作ってしまうことで起こる二次性静脈瘤に分けられます。
 
また、静脈のできる部位によっても分類されており、伏在静脈瘤は表在静脈という最も太い静脈にできたもので、表在静脈から枝別れした部位に起こるものを側枝静脈瘤、それよりも皮膚表層にできたものを網目状静脈瘤といい、皮膚表面から青く見えます。
 
それよりも皮膚表面の近く部位にできるものがクモの巣状静脈瘤といい皮膚表面から赤く見え、痛みを伴うことが多いです。

どのような治療が選択されるのか?

・ 圧迫療法

静脈壁が弱くなっているところを外部からぎゅーと圧迫することで、悪化予防や治療後の再発予防に効果があります。
 
ハイソックス、ストッキング、パンティストッキングのタイプがあり、静脈瘤の部位により選択されますが、基本的にハイソックスを使用します。
 
市販されている加圧ストッキングでも十分効果はありますが、医療用の弾性ストッキングもあります。
 
市販の加圧ストッキングも静脈瘤用となると3000円~4000円程度で、医療用の弾性ストッキングも3000円~6000円程度です。デザインや色等が豊富なのは市販の加圧ストッキングです。普通のストッキングと違い、すぐに伝線することはありませんが、洗い替えは必要です。

・ 硬化療法

硬化剤で治療する方法です。
硬化剤を静脈瘤に注射し、静脈を閉塞させて徐々に吸収させて正常に静脈が流れるようにします。網目状静脈瘤や側枝静脈瘤の場合に適用されます。

 

・ 結紮術

静脈の中で血液の逆流が起こっている部位を糸で縛って血液が流れないようにして逆流を止める手術法です。伏在静脈瘤の場合に適用されます。

・ ストリッピング術

静脈瘤の原因となっている瘤のできた静脈を引き抜いてしまうという手術方法で、下肢静脈瘤の根治を目的とした代表的な治療方法です。伏在静脈瘤の場合の標準的な治療法です。

 

・ レーザー治療

血管にカテーテルを入れ、逆流している部分レーザーをあて、血流を流れないようにする方法です。最新の治療方法で、膝裏の静脈から細い針を刺すだけで治療ができるので、ストリッピング術より体への侵襲が少ないと言われています。レーザー治療は保険適応ですが、適応外の治療もあります。

     

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