大腿骨頭壊死は悪化すると手術の必要性がある

大腿骨頭壊死

1. はじめに

 
大腿骨頭壊死は、無症状であるものから歩行困難に陥るものまで症状は様々です。この記事では、大腿骨頭壊死とは何か、症状の一つである疼痛はどのように発生するのかをご説明します。
 

2. 大腿骨の解剖

大腿骨とは、股関節を形成する組織の一つです。近位から順に、大腿骨頭、大腿骨頸部、小転子、大転子、大腿骨で構成されています。大腿骨頭は寛骨臼と接合し、股関節を形成します。
 
大腿骨頭は、内外側大腿回旋動脈と大腿骨頭靭帯動脈から栄養されています。他の組織と比較して、栄養血管が少ないことが特徴として挙げられます。
大腿骨頭周辺の靭帯は、腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯、大腿骨頭靭帯があり、中でも腸骨大腿靭帯は、最も強靭な靭帯の一つであると言われています。
 

3. 大腿骨頭壊死とは

大腿骨頭壊死とは、大腿骨頭の一部が血流の低下により壊死を起こした状態です。この場合の壊死とは、骨自体が腐敗するわけではなく、血流不全による栄養不良で骨組織が死んでしまった状態です。症状が悪化すると、大腿骨頭に陥没が生じ、股関節の機能に障害が出現します。
 
大腿骨頭壊死には、特発性大腿骨頭壊死症という、厚生労働省に難病指定された疾患もあります。
 
原因は明らかになっていませんが、例えば全身性エリテマトーデスのように、治療で大量の副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)の投与を受けている患者と、アルコール摂取を10年以上にわたりほぼ毎日続ける人(主に中年の男性)に多く発症していることが統計で分かっています。
 
しかし、どちらにも当てはまらない人が発症しているケースも少なくありません。

4. 大腿骨頭壊死の症状

大腿骨頭壊死の発症では、無症状であることが多く見られています。理由として、骨頭が壊死しても神経が通っていないため、疼痛などの症状が出現しないことが挙げられます。大腿骨頭壊死に気づく症状として、疼痛が一番多く挙がります。
 
これは、病巣が広範囲になり、運動や体重を支える不可に耐えられなくなることで引き起こります。つまり、大腿骨頭壊死の発生と、自覚症状の発症ではタイムラグが生じる可能性があることが分かります。大腿骨頭壊死の発生から発症まで、数か月から数年経過しているという発表もされています。
 
大腿骨頭壊死で疼痛が生じるメカニズムですが、身体の組織の一部である骨・軟骨・椎間板には、疼痛を脳に送る神経はありません。故に、ただ壊死を起こした時点では無症状なのです。
 
個人差がありますが、壊死の範囲が広がり、日常生活や自身の体重を支え切れなくなった時に、大腿骨と寛骨臼に圧潰することで痛みが生じます。大腿骨頭には、先に説明した靭帯があり、痛みを完治する神経が反応し疼痛を引き起こします。また、大腿骨頭の周囲の血管や筋肉が損傷するほどの圧潰だと、更に疼痛を引き起こす可能性があります。
 
また、大腿骨頭壊死の症状の一つである膝痛も多く見られます。圧潰の過程で患部には症状が出ていなくても、歩行などの運動障害が出現していて無意識に歩行の仕方が変わっていたり、患肢をかばったりしてしまうことで引き起こります。
 

5. おわりに

いかがだったでしょうか。壊死の段階では無症状で、更には患部とは異なる部位にも疼痛が出現する可能性があるため、注意が必要です。
この記事で少しでもお力になれればと思います。

     

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