水泳は腰痛に効果的?それとも泳ぐべきではない?

「腰痛には水泳がいいらしいよ」という言葉をよく耳にします。
確かに、水の中でならば体に負担なく運動できるような情報があちこちに溢れていますが、水泳によって逆に腰を痛めてしまった人もいます。

いったいどちらが正しいのでしょうか?
今回は、腰痛に注目し、水泳による良し悪しについて皆様にご紹介させていただきます。

 

水中に入った時の、人間の体について

水中に物を入れた時、目で見てすぐにわかるのは「浮力」です。
当然ながら、人間も同様に、水の中に入ると浮力を受けて水面に浮かぶ力が働きます。

当たり前の話ですが、日常生活において、腰は人間の体重やバランスを支える為に一番に酷使される部位です。
スポーツ(陸上など)を行っている状態ですと、実に体重の60%を腰で支えています。

水中に入った場合、体重の60%を支えている世界から別世界へと変貌します。
首まで水の中に入っている状態では、腰が支えている重量は体重の10%程しかありません。
みぞおち辺りまで水に入っている状態でも、体重の50%程を支えるだけで立っていられます。

 

水に入る事によって、腰にかかる体重の負担は確実に軽減されています。
また、水に入ると「水圧」によって微力ながら体が抑えつけられるような力が働きます。
小さな水圧ではありますが、マッサージ効果を得ることができ、血液の循環やリンパ液の循環を促してくれます。

ただし、水に入っている状態から動き始めると、体への影響が少し変わります。
水は空気よりも重いので、水中では空気中で動くよりも筋力を必要とします。

よって、筋力トレーニングを行っているような負荷を体に与えているのと同じような状態になります。

 

腰に対する負荷を軽減できるなら良いのではないか

ここまでの説明で、水中では通常生活よりも腰に対する体重の負担が少ない事を御理解いただけたと思います。
結果として、水中の方が腰に影響少なく安全に運動できそうなのですが、必ずしもそうではありません。

前述の通り、水中で立っている(もしくは浮いている)状態であれば、腰の負担は軽減されています。
しかし、水中では空気中とは違って、運動時の抵抗が増してしまいます。
通常よりも力を入れなければ動くことが出来ず、速く移動するためには「水泳」というテクニックを使わなければなりません。

 

「水中で動く」それはつまりトレーニングです。

「水泳」は運動ですので、必ずなんらかの負荷が体にかかります。
クロールや平泳ぎなどで、一定の距離を泳いだ時、それが短い距離でもどっと疲れを感じた経験はないでしょうか?

水泳は、短い移動で効果的に体全体を「トレーニング」するにはうってつけです。
この「トレーニング」という単語がポイントです。

トレーニングと表現すれば、それが薬にも毒にもなり得ることを簡単に理解できます。
体が疲労困憊で休息を必要としている時にトレーニングを重ねると確実に故障してしまいます。
逆に、トレーニング不足の体に対して行う事で、現状よりも強靭な肉体を手に入れられる可能性が生まれます。

つまり、悩みの種である「腰痛」について

・筋肉を酷使しすぎて痛みが出ているのか
・筋力が低下して痛みがでているのか

のどちらなのかを明確にする事が必要になるのです。

 

筋肉を酷使した結果の腰痛

激しいトレーニングや肉体労働によって無理をしてしまった結果として、腰痛を患ってしまった人の場合、水中で運動してしまうと、さらに筋肉を酷使してしまうため腰痛が悪化する可能性があります。

水中では、地上よりも少ない運動で体への負担が大きくなるため、水泳によって腰の負担を軽減することにはなりません。

ただし、水中で極力動かずに、立ったままでいる場合や、水の中から顔だけ出して浮いている状態であれば、腰への負担は軽減されている状態ですので、痛みを和らげる効果があります。
(ただし、浮いている姿勢によっては腰への負担になります)

また、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛など、腰椎等に問題を抱えている人も悪化する可能性がありますので、お勧めできません。
坐骨神経痛や椎間板ヘルニアは、そもそも姿勢や運動そのものを制限しなくてはならないからです。

 

筋力低下による腰痛

筋力低下による腰痛の場合、水の中での運動は非常に効果的です。
少ない運動で全身に負荷をかけられるため、運動効率よく筋力アップを計る事が出来ます。

しかしながら、急激な運動は逆に筋肉を壊してしまいますので、適度な運動からスタートしなければなりません。

理想的には、ウォーキングなどゆっくりな動きで効果的に筋肉を使う動作が望ましいとされています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
腰痛に悩む人が必ず耳にする「水泳」ですが、それは薬にも毒にもなってしまいます。
自分の腰痛が水泳に適しているのか、そうではないのか、実行に移す前に必ず医者に相談してみましょう。

     

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