遺伝性痙性対麻痺はとても珍しい病気といえます

有病率(病気になる確率)は、日本では人口 10 万人あたり約 0.2 と推測されています。(出典:山梨医科学雑誌24(1),1~12,2009)

人が快適に生活するための「歩く」機能が徐々に障害される難病で、遺伝性の病気です。

 

遺伝性痙性対麻痺の症状とは

 

遺伝性痙性対麻痺は症状はゆっくりと進行します。

脚の痙攣(けいれん)、こわばり、痙攣を伴なう筋力低下を起こす病気です。徐々に歩くことが障害され、スムーズに歩くことが難しくなってきます。
症状は幼少期~高齢者まで、どの年代でも発症する可能性があり、症状はゆっくり進行します。青年期を越えると進行が止まり横ばい状態になることも多いと言われています。

 

遺伝性痙性対麻痺の原因とは

 

遺伝子の異常が原因で起こる病気です。
遺伝子解析の発達により、原因遺伝子の解析が進められていますが、いまだ根本的な原因解明がなされていません。
脳と各組織や骨格筋をつなぐ神経線維の束である「脊髄」の変性が起きる病気です。
約10%の症例では、眼の障害、難聴、精神発達遅滞、認知症、末梢神経障害などの症状が起こると言われています。

遺伝性痙性対麻痺の診断とは

 

遺伝性痙性対麻痺は、症状だけで診断することは困難です。
遺伝性の病気ですので、同じ症状の血縁家族がいないかをよく調査し、同じような症状がみられる整形外科的疾患等の可能性が無いかを診断し、血液検査で遺伝子解析検査を行うことで確定されます。
鑑別が必要な病気としては、多発性硬化症、原発性側索硬化症などの難病や、整形外科的疾患です。

 

遺伝子解析検査は、大学病院などのかなり大きな病院で受ける必要があります。地域のかかりつけ病院からの紹介が一般的です。

遺伝性痙性対麻痺のリハビリテーション治療とは

 

症状を緩和させる、日常生活の不自由を改善するための対症療法としてリハビリテーションがおこなわれます。リハビリテーションは継続して根気強く行う必要があります。歩行機能の維持向上に必要で、リハビリテーテーションに期待する効果は以下の通りです。

運動機能や筋力の維持

関節可動域や関節柔軟性の改善
持久力の維持
疲労感の軽減
痙攣の予防

痙攣や筋力低下は歩き難さとともに、歩行の不安定さから起こる転倒や、転倒による二次的な怪我の危険性があります。安全な歩行のためリハビリテーションで機能を維持することが必要となります。
理学療法士等の専門家から、杖や補助具の使用についても指導を受けましょう。

遺伝性痙性対麻痺の投薬治療とは

 

痙攣を緩和させるため投薬治療が中心です。筋肉の緊張をほぐし、痙攣を抑える作用のある薬が処方されます。薬剤名としてリオレサール錠、ギャバロン錠という薬です。
それ以外には、各種症状に応じた薬が処方されます。いずれも医師・薬剤師の説明通りに服用してください。

まとめ

 

遺伝性痙性対麻痺の原因となる遺伝子について、詳しい病型、遺伝のタイプは複雑で、ここで詳しく解説することは難しいため、十分に医師の説明を聞いていただきたいと思います。

遺伝する病気ということで、診断を受けた方は自分の病気とともに兄妹、子供さんの心配も伴います。家族計画についての悩みも大きいと思います。
専門家と十分相談しながら、最良の道を選んでいただけるよう祈っています。

     

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